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どーにもならん風俗店員の話

借金返済に加えて、昼間の社会に馴染めなくて風俗嬢になった自分。

それは男性も似たりで。

女性はお金欲しさに風俗嬢になれるけれど、男性はウリセンボーイになったところでそう稼げないようだし、覚悟もいるし、おじさんには無理な仕事だ。

だから男性は手っ取り早く稼げそうとデリヘル店のオーナーになったり、ソープでボーイをやったりしているのではないかと思う。

サラリーマンなどをしていて、どうにも使われることに嫌気が刺したり、はたまた使い物にならなくて、風俗の世界に飛び込んでくる人も少なくないのでは。

風俗嬢になりたての頃に出会ったあるデリヘルのオーナーは中卒で複雑な家庭環境から九州にある家を飛び出し、付き合っていた彼女の実家に転がり込みつつ肉体労働をし、その後大阪でホストになり、20代で東京に出てきてホームレスからのスタートをし、スナックのママに拾われ、客として来ていた社長を紹介されてお金を借り、そこから今の自分がいるなんて話していた人もいた。

彼の場合はもともと野心家で頭がものすごく良い人だったから、若干わらしべ長者的な運を持って成功に行き着いたのだと思う。

私が出会ってきた風俗店で働く男性はあまりいい印象がない。

努力して働くことが嫌いだったり、楽して稼ごうや手抜きな態度が見られたり。

組織化されている大型グループの店舗に行けばそういう人も少ないのかもしれなけれど、女性のために一生懸命に働いて女性を危険な目に合わせないよう守ってくれるような好印象な人は出会ったことがない。

だからツイッターで呟いている風俗店の中の人なんかもできるだけ関わりたくない。

ツイッターで風俗嬢がクソ客と愚痴っている内容のツイートを真似して拡散している人をよく見かけるけれど、Twitterなんてアカウントを持っている人くらいしかほとんど見ないわけで、風俗店を利用している大半の客には届かないのに、女の子に取り入って自分のところで働いて貰おうと企んでいるだけにしか思えなくて。

本当にガシマンやめてあげてくださいとか乳首をいじりすぎないであげてくださいとか、定期検査に行ってくださいとお客さん向けに思っているのなら自分とこの店のホームページトップにも書けよと思えてならない。

結局風俗店で働いている男性は客寄りで、風俗嬢の代わりなんていくらでもいるとしか思っていない態度にしか見えない。

人妻熟女系のお店は特にババアを守ってくれない。

在籍していないと怖いとか、店舗型じゃないと守ってもらえないとか言っている人はきっと守ってもらえた経験があるのか羨ましい。

私は店に守ってもらった事は1度もない。

今でも忘れない、風俗嬢になって3ヶ月目の真冬に上がり時間が明け方の4時過ぎで、お店は先に閉めちゃうのでラブホ出たあと30分くらい何処かで時間潰してもらったら始発が動き出すからそれで自分で家に帰ってください、アウトコールは入りませんと言われた事。

“風俗嬢は誰からも守ってもらえないんだ。”とそこで学んだ。

だから風俗店で働いている男性が今だに大嫌いだし、平気で利用しようとしてくるし、裏切るし関わりたくない。

さらに最悪なのは、バイトや従業員の責任感の無さ。

近くでいい女すけべな女が見れるだろうとか、あわよくばヤレるとか、給料もそんなに悪くないし送迎したりタオル補充しておけばいいなんて楽勝ぐらいに思って飛び込んだ人も少なくないはず。

前職は警備員をしてましたなんてフレンドリーで張り切って入社してきたおじさんボーイは、1ヶ月?いや2週間ほどしか持たなかった。

サンタクロースが持つ白い袋のように、濡れたタオルがびっしり入った女性が引きずっても動かせないくらい重くなった袋を3階から素手で1日に何度も引きずり下ろさなくてはいけない重労働や、急いで部屋を片付けないといけない時に風呂場の床を拭き上げる手伝いに入ってくれても、こちらのベッドのセットが終わってもまだ拭いているくらい仕事の遅さがネックだった。

それでも感じはいい人だったけれど、回転重視のスピード勝負の店でいい意味で手を抜けない仕事の遅さは本人自身をも苦しめる。

その当時、なぜ?というほど2週間前後でやめていくボーイが続いていた。

すぐ辞めていった他のボーイさんなんて印象すらも覚えていないけれど、丁寧だったこのおじさんだけは何となく覚えていた。

そして入れ替わるくらいの時期に入ってきた自称元高級店のボーイを謳うおじさんボーイ。

高級店というプライドが捨てきれなかったのか、これがまぁ酷かった。

言葉で説明するのは難しいが、女性との距離感がおかしくて、妙に近くて気持ち悪い。

韓国のお土産お菓子をお店の人に渡したら、そのおじさんがいきなり近づいてきて韓国語で話しかけてきて、は?状態。

韓国旅行は好きだけれど、別に韓流が好きとか韓国語覚えてまでどうにかしたいわけじゃない人だっているのに、いきなり韓国語話しかけてくるとか本気でブチっと切れそうで、そういういきなり馴れ馴れしい人嫌いな私はフルシカトした。

最初からやたら絡んでこようとしきていたから、多分めんどくさいタイプの人だろうとすぐ察したので話しかけるなオーラは全開にしておいた。

先輩ボーイにお風呂場の床の拭き方を教わるのに靴下が濡れちゃうのが嫌だとか平気で文句言っちゃうし。

驚いたのは風呂場の床を拭くのに相当靴下が濡れるのが嫌なのか、土足のまま掃除していて絶句した。

お客様や女の子が裸足で裸で入る場所を土足で掃除するとか自分家でもあり得ない。

他にも階段で親しい女の子とすれ違うときに冗談でおっぱいを揉まれた時、いいなぁ俺も触りたいとかセクハラ言動してきたり。

新人のばか女が3階の部屋を行ったり来たり1日に何往復するのが疲れてしまったと嘆いた時なんて、そのセクハラボーイが女の子におんぶしていきましょうかといって、そのばか女もばか女だけど、本当におんぶしてもらって上がっていった話を聞いたときはあり得ないと言うか、やりそうな人だなと呆れた。

怒られても怒られても全く気にしない、どんどん調子にのるセクハラボーイ。

社長に怒鳴られても屁理屈で言い訳している声がフロントや待合室にまる聞こえだった。

自分がいた店は、ベッドのセッティングは次に使う子が使いやすいようにセットをするので、ベッドの上に大きなタオルカバーをするだけで特にそれ以外のセットはしないで出るのが基本だった。

だけれど、高級店では違うらしく、女の子が出た後にそのセクハラボーイは部屋に入り勝手にベッドメイクしてバスタオルや籠をベッドの上にセッティングして、わざわざ手間を増やすめんどくさいことを自分で勝手に初めてしまった。

郷にいれば郷に従うことができない性分なのか。

次に入った子が使いにくいからといちいち戻してからそこからセッティングすることになるので、余計な手間を増やしているだけだからやめなさいと何度注意されてもやめなかった頑固セクハラじじい。

もうこの頃には部屋の片付けに一緒に部屋に入られるのもうっとおしいと感じるくらい不快な人になっていた。

そんなある日、私がプレイ中の部屋で四つん這いになったお客さんのアナルを舐めていると突然扉が開閉する音が聞こえた。

パッと振り返ると扉を閉めている男性の手だけが見えた。

お客様をお見送りした後にすぐ謝りにきたのはこのセクハラボーイだった。

謝罪してきたからそれ以上怒るわけにもいかず、やり場のない怒り。

嫌いな男に自分の裸を見られた悔しさというか苛立ち。

そして1人が嫌だ気持ち悪いと感じているということは、他の人も少なからず感じているわけで。

徐々に女の子からのクレームがお店の方に入っていったらしい。

ソープで働いている以上、ボーイが間違えて扉をあけてしまうくらい日常茶飯事だという人もいるけれど。

そのセクハラボーイは本当に気持ち悪かった。

自分が働く店の風俗嬢の中にAV女優が入ればその子の作品を見ては周りに感想を言う。

いくらソープでもこれはセクハラといえるんじゃないだろうか。

この店で働いているAV風俗嬢の作品は全部見たと自慢していたり。

そういうことを平気で言いふらしている時点で、扉を開けたのも本当はわざとだったんじゃないかとまで勘ぐりたくなる。

結局女の子からの評判が悪くなったせいなのか、系列店に異動になったけれど、朝6時から出勤は起きられませんとさっさと辞めていった。

目つきも会話もやる事も全て気持ち悪いセクハラボーイ。

もしかすると今だにどこか吉原のお店を転々と働いているかもしれない。

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