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うまくいかなかったデートを振り返る その4

芸人をやっていた友達がいて、彼女が出演する事務所ライブに面白かったので、ちょこちょこ応援がてら観に行っていた。

その時に見かけた兄弟コンビのお兄さんに私は恋をした。

20代になって初めての片思い。

俳優としてスカウトされたことがあるくらい整ったお顔立ちで、芸はイマイチだったけれど一生懸命さが素敵で少し影があって、笑うととっても優しい笑顔になる人だった。

なんとか仲良くなりたくて、芸人の友達を通してまずは友達になれるよう頑張ってみた。

実家がスナックなので、友達男女集めて約30人くらいのパーティーを開き、そのゲストに芸人さんを4組呼びお笑いコントや漫才をしてもらうのに彼らにもお願いしたり。

兄の結婚パーティーの司会を依頼してみたり。

メールのやり取りはするくらいの仲になったけれど、内容はビジネスオンリー。

もういつまでも片思いしていても先に進まない。

幸せになれるか、次に向かう為に切り替えるか行動しないと。

多分薄々は分かっていたのではと思う。

大人になってからの自分からの告白はこの人の1度だけ。

好きだと言った内容、振られた内容は抹消したいくらい恥ずかしすぎて全く覚えていない。

ダメだったものはいつまでも引きずっていても仕方ない。

そんな時、彼女の芸人仲間が合コンをしてほしいということになり参加させてもらった。

その合コンでずっと帽子を被っていた男性がいた。

なんで被っているのか。

「俺、有り得ないほどデコが狭いんだよねー」

「えー?そうは言ってもたかが知れてるでしょ」

そう言って彼は嫌々帽子を脱いだ。

見たことない程のすごいでこの狭さだった。

指1本分くらいの広さしかない。

顔のバランスがおかしいなんて本人には言えない。

精一杯無理して「そんなことないよー、大丈夫だよ」とか言って誤魔化す。

とそんなでこの狭い芸人とデートをすることになった。

家に帰って姉や母に相談をしてみた。

別に変な人じゃないんだけれど、でこが超せまいんだよねーと。

デコが狭いくらい別にいいじゃないのーそれくらいと2人が言うものだから会ってみるか。

あまり気乗りしなかったけれど、気分転換になるし、デートしてみたらいい人かもしれないし。

そして居酒屋さんでご飯を食べた。

色んな話を聞いた。

風呂無し4畳のアパートに住んでいること。

電車賃節約のために東京都内は基本的にほぼ自転車でどこにでも行くこと。

実家が病院のおぼっちゃまだった事。

会話はあまり楽しかった記憶はないけれど、おデコ以外は本当に普通にいい人だった。

ドロドロの不倫をしたり組長との一件があった後なので、こういう人が安定してて平凡な幸せを手にする事ができるのかもなんて思った。

帰り道、駅でお別れをする時に彼が突然「お別れのチューは?」と言って来て私は思いっきり引いた。

「はっ?何言ってんの!」と反射的に思いっきり拒絶していた。

無意識のうちに答えが出ていたんだな。

手も繋いでいないのにキスって。

瞬間的に気持ち悪いとまで内心感じてしまった。

あぁデートして相手を知っていったら好きになるかもと思ったけれど、彼には当てはまらなかった。

やっぱり異常なデコの狭さが気になってしまったのかもしれない。

あそこまでびっちり毛が生えているのをみると、むしろ禿げた頭の方が自然な気がするとまで思った。

その後数年間は母や姉に「デコせま(我が家では通称デコせまで通っていた)勿体なかったねー好条件だったのに」としばらく思い出して話題に出ては言われていた。

外見はあまり気にしないといっても、人それぞれ許せるものと許せないものがやっぱりある。

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