ある日の午後、近所の八百屋さんでサクッとお買い物を済ませて家に戻った。
帰宅時にはオートロックマンションの入り口にあるポストを習慣で覗くのだが、広告や勧誘系でもない何やら茶色い封筒が見えた。
今時珍しいというか、久々に見た昭和レトロな筋入りクラフト紙の封筒。
雨に濡れたらすぐに破れてしまいそうなペラペラでスケスケの封筒。
だけど宛名が私じゃない。
男性宛になっていた。
裏面を見ても、差出人の名前に見覚えもないし誰だか知らない。
差出人も男性だった。
文字が震え過ぎてて認識するのにかなり時間を要した。
さらに言うと切手も貼られていない。
なんじゃこりゃ。
どういうこと?
差出人の住所はうちから2駅隣の町名だし、宛先も千代田区で縁もゆかりもない。
部屋番号違いとか、番地は合っていても町名間違いとか、色々考えてみたものの間違えて投函した理由にはどれも辿り着かない。
しかも切手貼られていないことが謎すぎる。
ボケた老人が間違えて私のポストと間違えて投函したか?
発想がムリくりすぎる。
っていうか、この郵便物どうしよう。
困った。
切手が貼ってあればポストに投函しておいてあげるんだけど。
ここで私は何を血迷ったのか、変な好奇心がウズウズ湧いてしまった。
どうせ暇人だし、差出人の住所を見てバイクで直接届けに行っちゃえ。
ついでになんでうちに投函されてたのか聞けるしな。
バイクで約12〜3分程度の場所。
アパート名で検索すると、家賃5万円10平米程度の2階建ワンルームアパートの2階。
階段上がって廊下を歩くと建物全体が揺れるような気がした。
部屋をノックしてみた。
何度かノックしてみたけれど、うんともすんともない。
不在か。
アパートの掲示板に貼られている管理会社にも電話かけてみたけど誰も出ない。
残念だけど、扉のポスト投函口から封筒を入れてこの冒険は終了した。
結局なぜ私のポストに入っていたのか理由はわからずじまい。
切手も貼っていないし、住所も関連性がゼロ。
答えが何も見つからないなんて、なんだかつまらない冒険だったな。
帰宅後になんとなく宛名をググってみた。
そしたらこの人宛の手紙だったことが判明。
別にだからといってなんだって話なんだけど。
コロナ関係の要望書か何かだったのか?全部が謎のまま終わったこの話。
とりあえず犯罪に巻き込まれる系ではなかったのでよかったけれど。
本当にオチも何もなくてすみません。
それにしても一体全体なんだったんだろう。
いまだに謎しか残らん。
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