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お客さんになんとなく告白した話

全く問題ない良い人も多いのだけれど、自分はいいお客さんで良識があると疑いもせず、妙に自信たっぷりな男性がたまにいる。

そういう人はどんなに紳士ぶっていても、結局取り繕いきれずに最後まで紳士でいられない。

1度予約をしてお会いしただけなのに、何度もお会いしたことがある仲良しさんにでもなったかのように、メールやツイッター、ブログなどでいきなりコメント頻度が増える。

結局、ボロが出る。

1度しか会っていない相手に対しての距離感の縮め方が本当におかしい。

対面した女性に舞い上がってしまうのか、感情を抑制できなくなってしまう様で。

在籍していた頃から、こういう風俗客は一定数いて、他の嬢を見ていても少なくない。

ちょうど1年前、プライベートレッスンを始めた頃の思い出す人がいる。

吉原在籍して辞める直前に婚姻届を持って来たお客さんと、プライベートレッスンにきた彼女が欲しいけれどできないという男性。

婚姻届のお兄さんは気の毒なほど・・・ただただ気の毒としか言いようがないほど問題を抱えていて、毎日のように店に通い詰め、距離感が本当におかしかった。

そのあとにプライベートレッスンで出会ったお客さんは、風俗経験ほぼなしで、どうしたら彼女ができるか悩んでいた。

容姿スタイル、職業、コミュニケーション力等完璧ではないにしても特段どこも悪くもない。

強いていうなら、聞き上手とも程遠いのに物静かで会話が受け身なことくらいで、あとはごく普通の男性だった。

意外だったのが、セックスがそんなに好きじゃないということ。

結婚するならセックスしなくてもいい人としたかった私は何を血迷ったのか、そんなに彼女が欲しいなら私と付き合いませんか?と言っていた。

当時の私はきっと何も考えずに、ただただ結婚したい病にかかっていたのかもしれない。

いや、彼は私の結婚相手への希望条件の2つを満たしていた。

セックス無しと個人事業主。(そんな条件だから一生結婚できない)

とはいえ、一体何を考えていたんだか。

1回指名をしただけでガチ恋に走るクソ客と一緒じゃないか。

でもその男性は、私の目には一瞬固まったように映りその後笑って流した。

その後1ヶ月して、デートのお誘いメールがきた。

もちろんお断りした。

なぜなら、(考えさせてくれという返事も含め)即答でどうするか答えられない上に、一瞬こわばった表情が全てを物語っていたから。

恐らくブログを読み、私と言う人間を不安に思ったか、風俗嬢である女を果たして恋人にできるかどうか躊躇したのだろうと目に見えてわかっていた。

ブログの文字だけに惑わされ、対面しているのに本質を見抜けない人はちょっと私には無理だ。

言葉や文字でなんと言おうと、目や身体は正直。

そんな無理して我慢してお試しで付き合うほど価値のある女じゃない。

自分色に染めれて、言うこと聞いてくれそうな若くてピチピチの女の子ならまだしも、こちらは無駄に人生経験豊富過ぎてしまった脂の乗ったばばあよ。

その上、風俗嬢って・・・悪い条件しか揃っていないな。

自覚していても覚悟するまでに1ヶ月もかかったなんて悲しみまで感じた。

付き合うために、そこまで深刻に悩んだのかとまで思えてならなかった。

だいたい中学生の愛の告白だって1週間くらいで返事が来るぜ。

そんな無理してまで付き合うことじゃないよ。

それなのにお断りをした途端の態度の豹変逆切れメールには、その彼がどうして彼女ができないのかの答えがしっかり出ていた。

 

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