エステティシャン時代の合コン。
若い女子だけで30人程いた職場。
年頃の女子の話題といえば男の話ばかり。
やたらと顔が広く知り合いが多い女子って職場に1人や2人必ずいる。
歌舞伎役者と付き合っていた女の子や、プロ野球選手とガチお見合いした子、夜な夜な六本木のクラブに行っては外人漁ってやりまくっていた女の子など。
男性話題に尽きない職場だった。
そんな当時、まだ景気の良かったパチンコ業界。
男性陣はパチンコ関係の知り合い繋がりが集まったメンバー。
銀座のグランドピアノが置いてあるようなちょっと高めのレストランで5対5の合コンに誘われた。
食事代は1人1万円にもなった。
けれど楽しかったのか単なる見栄っ張り集団なのか、男性陣が女性の食事代を全額ご馳走してくれた。
何とまあ景気の良いこと、なんて驚いた記憶。
そして私の隣には巨人の高橋由伸監督に似た30代半ばの年上の男性。
職業はフリーでパチンコのコンサルタントをしていた。
良い感じになり、2人でデートをすることに。
ただ難点は女性にいいところを見せたくて必死なのか、俺凄いんだぜ的な自慢が多い人だった。
美味しいものが好きだと話せば、俺の知り合いはジョエルロブションでシェフをしているだとか。
自分の自慢でもなく、自分の知り合いを自慢する人ほどチンケなことは無い。
100歩譲ってまだ自分自身の自慢なら凄いと言ってあげられる。
俺の知り合いにさぁ〜とか言われても、話広がらないしあっそとしか言いようがない。
こういう人の鼻はへし折りたくなる。
とりあえず美味しいものは大歓迎なので「ジョエルロブションのパン好きで1度は恵比寿のジョエルロブションに行ってみたいな〜」と持ち上げて初デートはジョエルロブションに行くことになった。
2軒目は麻布のバーで、やたら体を触って来たけど絶対やらせないと決めていた。
やらせないし、キスすらしなかった。
自慢話以外に別に悪そうな感じはなかったので、2度目のデートもすることになった。
ただなんとなく直感で迷いがあり、お付き合いに踏み出せないでいた。
2度目のデートは私の職場の近くの和食屋を私が選んで予約することに。
銀座ならそんなはずれはないだろうと思っていたのに、初めて行く店を選ぶときの私の鼻の利かなさというかセンスの無さ。
まぁ酷かった。
個室の和食屋を選んだのだけれど、食事中の会話がお互いテンションだだ下がりするほど美味しくなかった。
ごめんねー、私初めての店を選ぶセンスがあまり上手じゃなくてと言っても許してくれなかった。
彼も美味しくない店だなーと直接私を責めなくともそう聞こえるくらいの愚痴っぷりがしつこかった。
謝ってるだろ。
なんて女々しい男なんだと内心じわじわ怒り心頭し始めてきた。
機転の利かない男だな。
美味しくないから店変えようくらいの心意気は欲しかった。
そして雰囲気も最悪で大して食べずに帰ることになった。
帰り道、会話もなく銀座2丁目辺りから有楽町の駅までまっすぐ歩いていると、歩くペースすら合わせずにどんどん前を進んで行く彼。
どんどん距離が遠のいて行く。
大声で声掛けても聞こえるか?ってくらい離れて行く。
何だこいつ?
いくら食事が最悪だったからって、解散するまではデートだろーが。
30代なんだからちゃんと最後まで大人のデートしろよ。
そして“もしかして、このまま私が黙って地下鉄に降りて行ってもこの人気づかないのでは?”とよぎった。
そう思った私は、そっと黙ったまま右に曲がり地下に降りて帰った。
お別れの挨拶もなし。
変な終わり方。
もう2度とないわーこいつ。
と、思っていた2日後に何事もなかったかのように「今度後輩と銀座辺りで食事に行くんだけれど、美味しいお店知らない?」とメールが来た。
はあ?
あんな終わり方していてよくしれ〜っとメールして来たなと唖然。
あの後、振り返って私を少しでも探してくれたのかな?今となってはどうでもいいけど。
今でもよくわからない、ほんと変な男だった。
あぁつくづくほんっと男運ない私。
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