とうとうこの日がやって来た。
新潟へ出稼ぎに行き始めて約11カ月。
たくさんの人に出会い刺激を受け勉強になり、たぶん成長した・・・はず。
半年ぶりに会ったお客さん2人にもフェラがうまくなったと褒められたのだから、きっと色んな部分で成長できたはず。
そんなトップバッターのご予約はいつもの180分の還暦おじさん。
最後の最後まで連絡先と店外はしつこかったけど、だんだん諦めたようで冗談の感じで言って来たので軽くかわせるレベル。
そしてなぜか20歳以上も離れているのに人生相談を受けた。
なんだか私の人生から得た色んな経験値を買ってくださってるのだとか珍しく人を褒めたw
私がある話のきっかけで、悪縁を切らないと良縁には出会えませんからねと言うと、おじさんは考え込んでしまった。
そして私と出会う直前まで付き合っていた女性の話をしてきた。
未婚の生涯独身だと思っていたこのおじさん、実はバツイチだった。
身寄りもいないらしいが、付き合っていた女性はなんと自分の会社の同僚の奥さん。
同僚はほとんど面識もないというかたまの挨拶レベルの相手らしいが、同じ会社の人の奥さんって昼ドラかよと思わずツッコミ。
10年以上この人と不倫をしてきたらしいが、最近大喧嘩をしたらしく1カ月もLINEが既読スルーらしい。
もう潮時なのかなとか。
私は人がどんな人生送ろうが何かしようが特に批判も非難もする権利はないので止めなさいとも続けなさいとも何も言わない。
ただ、もう還暦で自分の将来のことを考えたときにはっきり言っちゃうと、もしあなたに万が一があっても彼女は人の妻であるので喪主にはなってくれないと思いますよ。
自分が病気しても看病や付き添いにも限界があると思うので、自分の将来を考えたら彼女を作った方がいいのでは?としか言えなかった。
長年の腐れ縁でも勇気を出して切らないと、新しい風も入って来ないと思っている。
だから私が新潟の出稼ぎやめるのも新しい風の入れ替えをするためでもあるんですよって。
もしかしたら私は言うことキツイし、友達も少ないから冷たいのかもしれない。
ストレスやデメリットにしかならない友達はスパッと切って来たから。
だからいろんな経験していても唯一おじちゃんを理解してあげられないのはそれだけ長く付き合った人と縁を切るという辛さ。
これはわかってあげられないし計り知れないので、自分で結論出すしかないですねと。
そんなんで延々と1時間はまた悩み相談。
てゆーか、還暦のおじちゃんがなぜ私にそんな相談を・・・^^;
最後の最後まで世話の焼ける寂しがり屋の強がりおじちゃんだった。
でも前回の時に店外したいのならお金を払いなさい的なことをやんわり伝えたからかわからないけれど、餞別に1万円くださった。
意外過ぎて驚き。
タダでなんとかしようという発想の人が1万円はほんと予想外だった。
しかも風俗嬢と話しているなんて感じたことは1度もなかったと、珍しく嬉しい言葉。
終わりよければすべてよし?!
出会ってから4カ月。
今までトータル13回の指名。
毎回イライラしたけれど、餞別ですべて吹っ飛んだ。
ほんとなんて現金な奴なんだ私は。
次のお兄さんは5月ぶりで、70分の指名。
この方も13回目で、もう風俗卒業するからってバイバイしていた恋愛オンチなお兄さん。
優しくていい子なんだけれど、コミュニケーション力が低い。
私が辞めると聞いて驚いて駆けつけてくださった。
でも結局お店の割引券を2枚も持っていたので、私の後に2回もうちのお店で遊んでいる。
なんだ結局卒業してないんかとウケたw
まぁ風俗常連だった人がいきなり彼女が出来たわけでもないのだから辞められるわけないわな。
そもそも風俗と彼女を自分の性欲という両天秤に載せて計っている時点で、私の中でのお兄さんに対するオキニ感情は一気に消え去った。
それでも最後のお別れに駆けつけてくれるなんてほんと有り難かったけどさ。
そして3人目のお客さんは初めましてで100分。
たまたま今すぐ行ける子で聞いて、今日で辞めると書いてあるのを見かけ、ちょうど待機になったところだと聞いたので最後の記念に指名してあげようと思ったという優しいおじさん。
有り難い。
ベンツ1台買えるほど風俗につぎ込んだと、一軒家帰るほどのおカネをパチンコにつぎ込んだと笑っていた。
うーん、その割に攻めは酷かったぞ。
でもなかなかお金の資金繰りの話とかには詳しかったので、ちょっと勉強になった。
辞めます需要があってほんと助かった。
これで最終日終わり?
あっけない。
意外と悲しいけどそんなもんだよなー。
もう1回来るねって言ってくださっていた人が2人来なかった。
まぁ風俗嬢との口約束なんてそんなもんだよな。
なんてひと段落していたら、お店のスタッフさんのご厚意か気を遣ってくださったのか、フリー90分を付けてくださった。
酔っ払いのおじさんだったけど、感じもよくて手こきで割と早くイってくれて30分はマッサージで身体もだいぶラクだった。
そしてまたそこからパタリと静かになって、0時を回るころに70分の新規指名が入った。
デリヘル初体験のおじさんに今日で最後の私というなんだか不思議なご縁を最後に有り難い。
酔っぱらっていたけれど、コンビニでお茶やお菓子をわざわざ買って来て待っててくださった優しいおじさんだった。
今回最後までほぼストレスフリーなくらいお客さんの層が良かった。
涙腺もちょっと緩んだけれどなんだかんだ楽しかった。
1年前は本指名されるのが嫌いなんて思っていたのが、本指名された方がラクだしありがたいということも学んだ。
そして店長と最後のお別れご挨拶した時、プレゼントをくださった。
前日にお世話になりましたと菓子折りを渡したからそのお礼だったのかな。
それでもそんな対応をしてもらったの初めてだし、風俗業界でそんなことができる人がいるなんて貴重だと思った。
なんだかんだ途中色々あったけれど、1年経っても全然風俗業界に擦れていない店長はまだまだ常識のある話の分かるいい人だった。
だからお店を辞めてもこの店長さんなら繋がっていたいなと思えた人。
東京に来るときはぜひ連絡してくださいね~ご飯でも食べましょうと言って、お別れした。
最後のオチはあまり僕のことTwitterで叩かないでくださいねーwだった。
私が店長に干されたとキレたとき、Twitterでボロカスに呟いたのを見つけて読んでしまったらしい。
やっぱ傷ついたのかな・・・言葉がキツイもんで、ごめんなさい^^;
でもなんだかんだ1年も同じ店で働けたのは、ほんと常識のある話の通じる店長さんだったから。
ほんとにほんとにありがとうございました。
この仕事をしていてこんなに切ない、人との別れがつらいと思う日が来るとは思わなかった。
東京に帰ったらしばらく寂しくて無気力になりそうかも。
偏見の目で見られたり、外の世界からは嫌われる業界。
人より苦労して生きている人も多い分、優しい人も多いのかな。
また東京でも同じようないい店長に出会えるといいな。
さて、東京に帰ったら早速掛け持ち用の職探しだ。
と言うことで、新潟出稼ぎの最終日の売上は1万の餞別を入れて、57,600円なり。
他の地域に出稼ぎに行くことは今は考えていないけれど、先のことはわからない。
秋の閑散期にピンチを迎えるかもしれないし。
でもひとまず、これにて新潟の出稼ぎはおしまい。
自分へ、お疲れ様でした。
さぁ帰ったら、次なるステージに上がる準備をしなくちゃな。
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