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お茶をひくダメージ

頭では理解していたつもりでも、心では意外と深い傷を負っていたなんて。

まだまだだな。

心に言い聞かせていたつもりでも、予想以上にダメージが大きかったみたい。

土曜日、半年目にして初めてお茶を引いた件。

1日1本以上の本指名を返していればお茶はなんとかないと必死に頑張って来た。

誰しも一定数の本指名客は持っているもので、けれど毎月安定した本指名数からさらに増やすという行動はかなり努力が必要。

そこまで努力が足らなかった。

自分の責任。

かといって、色恋営業ほど効率の悪いものはないし無理もしたくない。

私は気の合うお客さんと楽しく接客がしたい。

正直な性分なので、『貴方だけよ〜うふんあはん』とか無理無理。

お客さんも選ぶ権利があれば、女性側にも多少選ぶ権利はある。

顔や体型のはなしではなく、性格が合わないのに我慢してストレスになることは極力避けたい。

だから本指名の数も少しずつしか増えないけれど、今リピートで遊んでくださる方々はほぼみんな大好き。

いい人ばっかり。

出勤時間全部、大好きな本指名さまたちだけで完売できたらほんとストレスはないだろうにな〜。

人がやりたがらないはずのちんこをしゃぶるお仕事でも、吉原に来ていつの間にか自分も心を開いて楽しむがモットーになっている。

吐きながら嫌々やっていたはずの仕事なのに。

だからお茶を引いた日は、ショックではあったけれどいい戒めになった気もする。

お茶引き0を更新し続けると自分の中のプレッシャーも大きくなるし、プライドばかり高くなってもいけない。

こういうタイミングにお茶を引くことは、ここらで接客の見直しも必要かなと物は考えよう。

帰りに1時間ほど仲良しの先輩嬢さんに励ましてもらい、ランキング上位になったコツと研究の成果をこっそり教えてもらった。

お茶引き嬢からこのままじゃいけないと一念発起わずか半年で、自分で努力して試行錯誤を繰り返し、今では店外もしつつのランキング上位にも入る凄さ。

真似できるかはわからないけれど、教えて頂いたアドバイスはできることからすぐ始めてみる。

ほんと懐の深い気遣いのある風俗擦れしていない素敵な女性。

年齢じゃないんだと見せ付けてくれた。

店長から『よく頑張りましたね』と褒められて、すごく喜んでいた。

いくつになっても努力したぶん、人に認めてもらえることや褒められることって、無条件に嬉しいはず。

そして楽しみながらこの仕事をすることを教えてもらった気がする。

お茶を引いた日、無駄に12時間もお店にいて無駄したようにも思えたが、彼女と話せたことで一気に貴重な1日になった。

翌日の1本目は月に2〜3回来てくださる本指名のお客様。

あった瞬間、6連勤中なのにものすごく久しぶりに仕事をしたような気持ちになった。

服を着たまま思わずハグ。

ハグをしながら、目をつぶったら涙が溢れそうになり必死にこらえた。

12時間も待機してお茶引くと、この世に自分は忘れられたかのような、まるで存在していないんじゃないかのような気持ちになっていた。

会うといつも不思議なほどたくさんたくさん褒めてくださるお兄さん。

たくさんいる女性の中、こんな私に毎月数回会いに来てくださる。

たくさん褒めてくださることで、私の存在意義を認めてくれて承認欲求も満たしてくれる。

こんなに有難いことはない。

前日のお茶引きが思った以上に心は傷ついていたのかもしれない。

頭では仕方ないと割り切っていたつもりでも。

だからこそ翌日に仲良しのお客さんがまた会いに来てくれたことの嬉しさと感謝の気持ちからか、涙がこぼれそうになってしまった。

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